定額制サービスがなぜウケるのか?資産運用と繋げて考えてみる。

 

こんにちは。YUMAです。

今日、日経ヴェリタスで「定額制どこまでお得?」という記事を読んで、様々な○○放題があるんだなと改めて思いました。

なぜ定額制サービスが流行ってきているのでしょうか?

定額制サービスが解消する消費者のストレス

記事を読んで何が良いのか改めて私なりに考えて整理してみました。

値段を気にしたり懐具合を考えなくてよくなる

洋服を買うとき、レストランでメニューから注文するとき、買いたいものや食べたいものはあるけど値段を見てから最終的な判断をしますよね?

これは消費者にとって結構なストレスです。値段が高いからという理由で欲しい服や食べたいものを諦めると、なんだか惨めな気持ちになるときがあるし、後で後悔することだってあります。

均一居酒屋や100円ショップが好かれるのは、値段を見ることなく商品だけを見て注文や買い物ができるところですよね。これと同じ魅力が定額制にはあるでしょう。

携帯電話でもカケホーダイがあると、ついつい長電話しても安心なので、通話中にお金の心配をするストレスから解放されます。

不確実性(リスク)を避けられる

いまや野郎ラーメンでも月額8,600円で食べ放題というサービスをしているようです。私も好きですけど毎日食べてたら体がどうにかなりそうですね(笑)

居酒屋の飲み放題や食べ放題で一番助かるのは、上限金額さえ払えば想定以上に高くつくことがないということです。特に大勢で飲み会に行ったときなんかは誰がどのくらい飲み食いするか読めませんからキャップをつけてしまえば気楽です。

その意味では定額制は不確実性を回避するためのツールを買っているとも言えます。

購入の意思決定が1度だけで済む

これは無意識のうちに消費者がとってしまっている行動だと思います。バラバラに分けて都度買い物をするときの費用と定額サービスの費用を比べるとき、かかる費用が同程度なら定額サービスで一括で支払いたくなってしまう意識が働きます。

比較するときに「このジムに月xx回通えば定額のが得だ」という感じで、定額サービスを好むようにバイアスをかけて考える癖がついている人を見かけます。

これは支払いの意思決定がストレスを感じるため、比較したうえで同程度の費用なら1回の意思決定で済ませたいという行動バイアスがかかっていると言えます。

なぜいま定額制サービスが流行るのか

Amazonプライムなどの動画見放題をはじめとして、色々なサービスがオンラインで提供されるようになり、供給拡大に費用がかからなくなったことが大きいでしょう。

オンライン作品なら一斉にみんなが視聴しようとしても(サーバーが耐えうる限りは)供給可能です。昔のレンタルビデオ屋さんで借り放題をしたならば、人気作が常に品切れになってしまいそうですがその問題は現代では解消されています。

また、シェアリングエコノミーの台頭、すなわち所有に対する固執がなくなってきていることがあります。皆でシェアし合うのであれば必然的にモノを買わず、コミュニティに定額料金で参加することになります。ブランド品の定額レンタルし放題などがそうですね。

定額サービスは商品に対価を払うのではなく、権利や時間や体験に対して対価を支払います。モノ消費からコト消費へと変わる時代のニーズに合っているのです。

節約するなら見えないもの(固定費)から切れ!を逆転させる発想

ここまででふと気付きます。定額制サービスは、消費のマインドを変動費から固定費にすり替えるモデルなのです。いったん固定費として考えてしまうと、人はそれが本当に必要なサービスで値段相当の価値があるのかを疑いにくくなります。

不要な保険に入って知らないうちに毎月高い保険料を支払っている人と近いでしょう。そう、定額制サービスは不確実性を回避できますから保険と同じ意味合いを持つのです。

  • ろくにジムに行かないのに意外と行くかもしれないという不安で固定会員に
  • 実際はそんなに飲まないのに高くついたらいやだという不安で飲み放題に
  • 忙しくてなかなか行けないのに遊園地の年間パスポートに

申し込んだりしてしまうんですね。

ただ、しっかりと考えて判断できる人には本当にお得なサービスも多いですから見極めが肝心です。

積立投資は固定費化を上手く使った手法とも言える!?

さらに考えを深めていくと、積立投資と定額制サービスの共通点が見えてきます。

どちらもその都度細かい意思決定をすることなく、1度の意思決定だけでチャリンチャリンと支払っていく(投資していく)モデルであり、究極の見えない化(=固定費化)なのです。

消費行動と一緒にしてしまってはいけませんが、積立投資は、良い意味での習慣化、つまり見えない化をうまく活用した制度だと思います。

「貯蓄から資産形成へ」を進めていくには、やはりいかに良い商品であっても単発で売るだけでは非効率であって、積立投資をするという意思決定をしてもらうことに全力を注ぐべきです。

運用会社の皆さん、分かってもらえますかね?目の前は赤字に見えていても最高の商品を作って積立投資のシェアをとりにいかないといつかは滅びてしまいますよ?

それではまた。