コロナショックの影響で世の中はインフレ?デフレ?

こんにちは。YUMAです。

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言も解除されて、徐々にですがコロナ前の日常に戻りつつあります。といっても、本当に少しずつですね。レストランや居酒屋にはまだまだ人は少ないし、私もまだテレワークを継続しています。

アフターコロナという言葉をよく聞きます。コロナショックが起こる前と後では世界がどう変わるのか?そんなテーマの記事が多くなってますね。

テレワークの普及、外食産業の形態、学校教育の在り方など、色々なトピックがあると思うのですが、今回は「インフレになるのか、デフレになるのか?」について考えてみました。私の直感ではインフレは起こらないと思います。

様々な記事があるので、それらを紹介しつつ考えてみます。

エコノミストたちの意見

Googleで「コロナ インフレ デフレ」と検索すると実にたくさんのメディアがエコノミストたちの意見を記事にしています。

新型コロナウイルスの感染拡大による経済的ショック(以下では、コロナショックと呼ぶ)は、1929年の世界恐慌に近い事象なのか、第2次世界大戦に近い事象なのかで、収束後の経済見通しが変わってくるだろう。別の言い方をすると、コロナショックを需要減退ショックと捉えるか、供給停滞ショックと捉えるかの違いといえよう。

この記事では世界恐慌や第2次世界大戦のときはどうだったかという歴史を振り返りながら分析しています。

世界恐慌のような需要が停滞するような景気後退であれば人々はモノを買わず(買えず)、一時的なデフレとなるだろうと述べる一方で、世界大戦のようなサプライチェーンが破壊され供給が滞る景気後退であればモノ不足によるインフレが起きるだろうと述べています。

ただし、今後起こるのがインフレかデフレかという予想は述べていません。

コロナ危機による供給ショックは、都市封鎖や外出自粛によって個人の所得と消費機会を奪う点で、(天災等による)一般的な供給ショックと大きく異なる。当面は供給不足によるインフレ圧力よりも、需要消失によるデフレ圧力のほうが影響が大きくなるだろう。しかし、コロナ危機が終息した後は状況が一変するかもしれない。

この記事では、緊急事態宣言によって収入が減ったことや消費する機会が奪われたことから当面はデフレになるだろうと述べています。

ただし、世界恐慌の時も一時的にデフレだったものの回復期には急激にインフレに転じたことから、デフレ後にインフレが起きる可能性も注意しておくべき、ということだそうです。

生産・費用に係る効率を損なってでも国内でさまざまな財を賄えたほうが国家のリスクマネジメント上適切なのだという判断が先に立てば、国家として法律や規制をその方向で再整備する可能性もある。「効率化を目指さないで安全を取る」という選択が各国で採用される世界では今より物価が上がるのではないのか。

この記事では、旺盛な需要が引き起こすインフレは起こらないだろうと述べつつも、別の見方として反グローバリゼーションがコストプッシュ型のインフレを引き起こす可能性に言及しています。

どういうことかというと、今回のコロナショックを機に、各国は例えば医療関連や生活必需品をはじめとしたモノを国内で自給しようとする。そうするとこれまでコスト優先で安く海外生産していたモノを、今度はコストが高くても国内生産するようになるのだから物価は上がるだろうというロジックです。

なるほど、国内生産へ回帰する製品はある程度限定されるので、どこまで消費者物価全体にインパクトがあるかは難しいところですが面白い着眼点ですね。

一個人として考えてみるとインフレは起こらないでしょう

エコノミストたちの経済学に基づいた見方とは少し変えて、一個人、ただの消費者として考えてみましょう。

まず、今回のコロナショックの影響で経済全体が大きなダメージを受けましたが、消費者にとってみれば収入が減ったという点が最もインパクトの大きい点でしょう。

プロジェクトが止まる、案件がキャンセルされる、減給・ボーナスカット、派遣切り、解雇といった労働収入の減少ですね。(株式の減配や不動産の家賃低下といった不労所得はそこまで影響を受けていない印象です)

収入が減る中で貯蓄を取り崩しながらの生活を強いられた人は、今後はまず回復した収入を貯蓄して以前の状態に戻そうとします。つまり、これまで以上に消費を抑えますs。私は10万円の給付金を貰っても多くの人がそのまま貯金すると思ってます。

それから、以前の貯蓄状態に戻ったとしても、コロナショックは人の記憶に残ります。

「次にまた大きな災害やウイルス拡大が起こったら?」「今回と同じかそれ以上のダメージがあるかも」という恐怖感が、しばらくは消費者のマインドに残り続け、貯蓄マインドや節約マインドに拍車をかけてしまうでしょう。

これは企業にとっても同じで、まさに今バタバタと破綻し始めてますが、生き残った企業は利益を次の設備投資や研究開発に回すよりも、ひとまず現金を多めに持っておきたいというマインドになり内部留保を厚くする傾向に拍車がかかるでしょう。

こういったことを考えると、仮に供給不足やモノ不足が起きたとしてもそもそも消費したいというマインドがとても小さくなってしまっているのでインフレなんて起こらないだろうなというのが私の直感的な感想です。

インフレというセールストーク

世の中にはセールストークとして使うために、「インフレになるぞ!」と声高に叫ぶ人たちがいます。インフレ対策のための不動産投資だとかですね。

デフレが続くだろうという意見はセールスマンにとってもあまり面白いものではないので、どうしても世の中にはインフレを心配する意見の方が多くなります。けど、上で述べたように私には今後10年はインフレなぞ起こりそうもないように見えます。

前人未到の金融政策と財政政策を打ち出したとしても、結局は消費者や企業のマインドが結果を決めてしまうと考えています。

それではまた。