アクティブファンドの社会的使命は薄れているのか?

こんにちは。YUMAです。

今日、エメラダ株式会社からエメラダ・バンクについてプレスリリースが出ました。

エメラダは株式型クラウドファンディングであるエメラダ・エクィティのサービスを提供しています。エメラダ・エクィティは未上場の将来あるベンチャー企業に個人投資家でも小口で出資することができるプラットフォームです。

しかも、そのベンチャー企業はベンチャー投資のプロであるVC(ベンチャーキャピタル)がすでに投資しているような、ある程度お眼鏡にかなっている有望企業に限定されていて、これまでの情報格差や個人投資家のハードルを下げる形の魅力的なサービスとなっています。

今回のエメラダ・バンクはエクィティではなくデットの観点、すなわち銀行融資に代わるサービスを提供するレンディングのビジネスだそうです。

中小企業やベンチャー企業における、財務諸表以外の情報も踏まえたうえで柔軟な融資を行うサービスで、いくつかの地銀もエメラダ・バンクに参画しています。

最近、イノベーションブーム、起業ブームということでベンチャーキャピタル界隈が物凄い盛り上がりを見せています。SBIホールディングスも巨額のファンドを作ってフィンテックベンチャーの出資に積極的です。

エメラダはエクィティ面でもデット面でもベンチャー支援のプラットフォームを提供することになり、しかも世間はこれだけのベンチャーブームです。これまで、株式会社は株式上場することで資金調達を行い、また上場により信用力を得て銀行融資も引っ張りやすくなる、というメリットが通説でした。

しかし、昨今の日本のベンチャーキャピタリストの活躍や、フィンテックをはじめとしたテクノロジーの発展を考えたとき、果たしてわざわざ株式上場することにどれだけの価値があるでしょうか?(うるさい株主や主幹事証券も漏れなく付いてきますし。。。)

ベンチャー企業からすれば、自分達のサービスを広げて対価が得られるなら上場なんてどうでもいいのではないでしょうか。

そうなると、上場株式市場の歪みを捉えて市場平均を上回ろうという伝統的アクティブファンドの存在価値は薄れてきていると言えなくもありません。どこの馬の骨かも分からない小型銘柄を分析し適正に価格付けしたり、将来的に爆発的なイノベーションを起こすグロース企業の発掘というのがアクティブマネージャーの役割であるなら、いまやそれはVCが担ってきています。そもそも、そんなグロース企業が株式上場という道を選ぶかも分かりません。

株式市場に存在していた非効率性をメシの種にしていたアクティブマネージャーのビジネスですが、その非効率性は株式市場以外のマーケットの発達によって脅かされているのかもしれません。

伝統的アクティブファンドとベンチャーキャピタルの垣根は下がり、個人投資家もわざわざアクティブファンドを買うことなく、有望なベンチャーに投資できる世界が来るのもすぐ先かもしれません。

それではまた。