Top Dogs(株式市場の最大銘柄)は入れ替わる。市場の栄枯盛衰を覚悟しよう

こんにちは。YUMAです。

米国株式市場の歴史を振り返ってみると、その著しい上昇は一部の銘柄たちによってもたらされています↓

一部の成長銘柄、それはテンバガー(株価が10倍になる銘柄)どころではないマーケットリーダーともいえる存在です。

それ以外の大多数の銘柄はマーケットリーダーの足を引っ張る存在であり、それら全てで株式場は成り立ってきたのです。

今回、紹介する研究はそれとは少し矛盾するかもしれない、、Top Dog(株式市場での時価総額最大の銘柄)は入れ替わるという話です。

今回の話は、Research Affiliates のRobert Arnottによるプレゼン資料からです。

PDFダウンロードはここから

Past Is Not Prologue

Rob Arnott

Chasing returns can be very costly. High valuations can go higher, but not indefinitely. At Research Affiliates’ recent Investment Symposium in London, Rob Arnott explains how the link between starting valuations and subsequent returns is powerful, and examines which investments look attractive today.

FANMAGの時価総額はどんだけ?

時価総額が急成長している銘柄と言えば米国のグロース銘柄。いわゆるGAFAとかFANMAGと言われる銘柄たちですね。

FANMAG(Facebook, Apple, Netflix, Microsoft, Amazon, Google)の6社の時価総額はいまや超巨大なものと化しています。

FANMAGを1つの「国」だと思って他国の時価総額と比較してみましょう。

国の時価総額を並べると断トツはもちろんアメリカで25.7兆ドル。2番手は日本で5兆ドル強です。

そして、3番手は中国、その次はイギリス、、なのですがここでFANMAGを比較対象に入れるとなんと日本の次にランクインします。つまり、3番手に時価総額の大きな「国」のようになります。もはや6銘柄でこれだけの規模を持つのですね。

今度はセクター(業種)の切り口で見てみます。

断トツで大きな市場であるアメリカの時価総額を業種ごとに分けて、その中にFANMAGも追加して並べてみます。トップは金融セクターで約5兆ドル、そして2番手はFANMAGです。次いで3番手はヘルスケアセクターとなります。

ヘルスケアの次に来るのがFANMAGを除くハイテクセクターです。

いやはやここまで来るとFANMAGが世界を支配しているなんて言われるのも頷けますねえ。

Top Dogsは幾度も入れ代わってきた

時価総額の大きな銘柄たちをTop Dogsと呼ぶことにすると、FANMAGは間違いなくTop Dogsの集まりと言えます。

ここで過去の歴史を遡り、世界のTop Dogsがどんな銘柄だったのかを見てみましょう。

1980年から始まり、1990、2000、2010、2019年と概ね10年ごとに区切ってその時々の世界における時価総額トップ10をリストアップしてます↓

↑よーく見てみましょう。

1980年にはIBMやGEの名が。他には資源・エネルギー銘柄がズラリとランクインしてます。

1990年頃は日本バブルで日本企業がたくさんランクインしてますね。日経平均が4万円近くまで上昇していた時期です。

2000年はITバブルが近いですからMicrosoftやIntelのほかIT系が多いです。

2010年になると中国の台頭が目立ちます。

そして、2019年はまさにFANMAGの一部やアリババなどのテック銘柄が数多くランクインしてます。

でも、よーく見てください。

ほとんどの銘柄が10年ごとに入れ替わってますよね!?

Top Dogsの凋落

Top Dogsは10年もするとそのほとんどが入れ替わってしまいます。

1980年→1990年で生き残ってるTop DogはIBMとExxon Mobileの2社のみ。

2010年→2019年で生き残ってるのはMicrosoftとAppleの2社のみ。

他の年に至ってはそれぞれ1社しか生き残っていません。

なぜか?

それは、一世を風靡したTop Dogsはほとんどがその後に凋落しているからです。シミュレーションしたTop Dogsの過去のパフォーマンスを見てみましょう。

その時々のTop Dogsのポートフォリオを作ってシミュレーションをした結果がこちら↓

  • Developed World: MSCI World (ベンチマーク)
  • Global Top Dog: 世界最大の時価総額1銘柄のポートフォリオ
  • Global Top 10: 世界の時価総額トップ10銘柄ポートフォリオ
  • Country Top Dogs: 先進各国の中から時価総額最大の銘柄を1社ずつ組み入れたポートフォリオ

Top Dogsで構成したポートフォリオはいずれもベンチマークである市場平均指数(Developed World)を下回っています。

やはり、Top Dogsはパフォーマンス悪化により10年も経てば凋落してしまうのです。

ここから学べること

栄枯盛衰。諸行無常。今見えている風景は常に変わっていきます。

世界を席巻しているFANMAGもいつまで繁栄が続くかは分かりません。

いや、このFANMAGは過去のTop Dogsとは違ってホンモノなんだ!今回はバブルではないんた!

過去もそう言われてきたにも関わらず、例外なくTop Dogsは入れ替わってきたのです。

私たちにできることは、やはり自分自身やマーケットの評価を過信しないこと。いつかはFANMAGのブームも終わりを迎えることを受け入れる。

この辺りを肝に命じておくことは大事でしょう。

それではまた。