こんにちは。YUMAです。 もし、相続や贈与を受けとったり宝くじが当たったとしましょう。まとまったお金で資産運用を始…
投資アドバイザーのサブスクモデルが流行らないと思う理由
こんにちは。YUMAです。
世の中サブスクブームですね。
サブスクとはサブスクリプション(購読型)ビジネスのことで、例えば月額課金でサービスが好きなだけ楽しめるようなサービスのことです。ネットフリックスやAmazonプライムなどが良い例です。
サブスクの流れが資産運用の世界、それもロボアドを含めた投資アドバイスへの世界で話題となっているようです。
個人的には、投資アドバイザーのビジネスにサブスクは馴染まないと思います。
今回はその辺りについてまとめます。
目次
投資アドバイザーのサブスクモデルが注目を集めている?
そもそも従来からある「ロボアド」などは、一定期間の資産運用アドバイスをお願いする代わりに手数料を払い続けるわけですから、お金の支払い方だけを見ればサブスクモデルに近いと言えるかもしれません。
また、米国の金融大手であるチャールズ・シュワブはロボットによるアドバイスだけでなく、CFP保有者による対面のアドバイスを含めたビジネスをサブスクモデルとして提供するとアナウンスしています。
シュワブによれば、最初のファイナンシャル・プランニングの時の手数料が300ドル、その後は毎月30ドルの固定手数料となります。
資産額に依らない固定手数料であることから、運用金額が大きくなると手数料率は0%に近づきます。
投資アドバイスの料金体型としては格安となることから注目を集めていますが、このようなサブスクモデルが本当に資産運用の世界で伸びていくでしょうか?
意味のあるサブスクとないサブスク
そもそもサブスクのメリットとは何でしょう?ユーザーはどんなサブスクモデルであればお金を払うでしょうか?
最近は何でもかんでもサブスクと呼んでますが、次の2つの例を見てみましょう。
- 月額固定料金で好きなときにジムを使える
- 月額固定料金でラーメンを何杯でも食べられる
1は普通のフィットネスで昔からあるサブスクモデルですね。トレーニング機器を個人で揃えるのは不可能ですが月額利用料でそれらが使い放題です。
一方で、2はブームに乗って色々な飲食店がやりだしたサービスです↓
2がサブスクモデルとして成長できないのは明白です。
私がそう考える理由は2つあります。
- 「まとめ買い」の域を出ていないから
- ライバルを排除できないから
ただのまとめ買いでは損得の判断に左右される
月額8,000円でラーメンがいつでも食べ放題!というのは結局は割引価格で食券をまとめ買いしたに過ぎません。
これでは月に何杯ラーメンを食べるかを計算して8,000円が安いと思う人しか利用しません。しかも、個人の都合(健康面、気分など)を考慮せずに大きな金額をまとめて払うので消費者はさらに慎重になるでしょう。
ジムの月額料金の場合は、月額料金がそもそも基本の料金とされており、1回利用料金はそれに比べるとかなり割高になるように設定されます。
ラーメンのように一杯あたりの料金が最初から頭に入っているわけではないため、月額料金を見たときに1回利用料金という参照価格がありません。
末永い付き合いでライバルを排除できるか
サブスクにお金を払うということは特定のサービスと長く付き合っていく前提があると言えます。長く付き合っていくということは他のサービスに浮気しないという要素も持ちます。
とあるジムの会員になっていればそれ以外のジムの会員になることはなく、Huluを契約していれば(多くの人は)ネットフリックスやWOWOWといった似たようなサービスには契約しないでしょう。
ラーメン食べ放題サービスを始めたとしても、嗜好が他のラーメンや食べ物に移ってしまえばすぐに飽きられてしまいます。サブスクとして1つのサービスと末永い付き合いをしていくのに特定の食品は向いてないのです。
投資アドバイスに求められるのは適切なタイミング
こう考えると投資アドバイスのサブスクはどうでしょうか?
月額xx円というのが高いのか安いのかを判断しにくいというのはありますね。サブスク契約に踏み切るだけの材料が乏しいため、経済的に余裕があり思いきりの良い人でなければ慎重にならざるを得ないと思います。
資産運用ですから「末長くお付き合いしていく」という特徴は満たしています。が、他のサービスを排除するほど特定のロボアドやアドバイザーのファンになってくれるでしょうか?
医療の世界ではセカンド・オピニオンという言葉があります。アドバイスを受ける人は1人だけのアドバイスに固執することは望ましくありません。
そして何より資産運用アドバイスは期間に応じて一定のニーズがあるわけではありません。
金融危機で株価が大きく下がったとき、子供が生まれたので教育費用の準備を始めたいとき、親から財産を相続したとき。
この観点で言うとサブスクと資産運用アドバイスはなかなか馴染みがないように感じます。
資産形成はスタートしてしまえばほとんど手間がかからない
逆に言うと、然るべきタイミングでしっかりとしたアドバイスが得られるならば、その他の期間はほったらかしにしても大きな問題はないというのが資産運用の現実です。
資産形成をスタートするタイミングとライフイベントでリスク許容度が変化したタイミングさえ押さえておけば、余計な手間をかける必要はないし、継続的に手数料を払う必要もありません。
こう考えていくと、必要なタイミングに必要なレベル(深さ)でアドバイスを貰えれば良いわけですから、サブスクモデルとしての投資アドバイスはブームに乗っただけのものと言えます。
また、サブスクというのは一度契約すると意識せずに出費を垂れ流す危険性もあるので安易に飛び付く必要もないでしょう。
それではまた。