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投資信託から支払われるカストディフィーの重み。純資産の大きいファンドを選ぼう
こんにちは。YUMAです。
久しぶりの記事更新です。
今回は、投資信託の実質コストを考えるとカストディフィーはバカにならない、純資産の小さいファンドや銘柄数が多いファンドを選ぶときはよくよく注意する必要がありますよ、という話です。
目次
投資信託の実質コストには何が含まれるのか?
投資信託を選ぶときにはまず、資産クラスを考えますよね。株式か債券か、はたまたバランスファンドか?
次に、アクティブファンドかインデックスファンドか?を考えますね。運用哲学やら過去の成績やらコストを見て自分が納得できるものを選びます。
インデックスファンドのコスト比較は大事です。信託報酬を比べるのが普通ですが、それ以外を含めたコストである実質コストを比較する方法もあります。労力がかかるのでおすすめしませんが。
信託報酬以外にかかる費用としては、様々な取引コストやファンドの監査やその他の税務およびリーガル関連にかかるあらゆる費用が含まれます。
これらの大部分はカストディフィーとして括られます。
カストディフィーとは?
カストディフィーとはカストディに支払う手数料のことで、大部分が外国株特有のフィーです。カストディとは株券や現金を保管・管理している金融機関(≒信託銀行)だと思ってください。こちらの解説が分かりやすいです↓
外国株ファンドであれば投資している各国にそれぞれ契約したカストディが存在し、現地で売買した株券を保管したり券面やキャッシュの移管をしてくれます。各国のカストディと連絡を取り合う大元のカストディも存在します。
投資の意思決定は運用会社が行い指図を受けたカストディがその後の事務処理を行ってくれます。
彼らはインフラ的な役割を果たすため、取引の都度徴収する手数料は一見するとわずかです。しかし、管理する取引の数が尋常ではないので金融機関としては大きな利益を安定的に生み出します。
残高フィーと固定フィーに大別される
残高フィーとは残高や金額のxx%という形でかかるフィーのことです。普通は残高管理コストや取引コストと言えばこちらをイメージするでしょう。
厄介なのは固定フィーです。残高に関係なく、1件当たりxxドルという形のフィーです。
例えば、A株を10,000ドル買ったとしましょう。トレードの際にブローカーへの取引コスト(コミッション)として仮に0.05%、つまりこの場合5ドルをまず支払います。
その後に、カストディ側ではこのファンドのA株10,000ドル分の決済をし、券面を移管し、株数増加・キャッシュ減少という記帳を行います。このカストディの手続きに仮に50ドルのフィーがかかるとすると実際にはトータルで55ドルのコストがかかったことになります。取引金額対比で見れば0.55%ですね。
取引のカストディフィーは国によって異なる
このカストディフィーは米国などでは最も安く、カストディによりますが取引1件当たりおそらく2~30ドルだと思います。先進国は総じて低く、高くてもせいぜい5~60ドルです。
一方で、新興国ではこのカストディフィーは高めになり、一部の国では100ドルかかることもあります。
ファンドに与えるインパクトは無視できない
現在、MSCIエマージングインデックスの銘柄数は1000銘柄を越えています。つまり、大きな資金の出入りがあるときや指数のリバランスがあるときは、1000件以上の取引が発生します。
平均的なカストディフィーを仮に1件50ドルとして見ると、1000件の取引にかかるフィーは50,000ドルとなります。ざっと500万円としましょう。純資産が100億円のファンドにすれば0.05%のインパクトですが、10億円のファンドであれば0.5%とそこそこ大きくなってきます。
しかも、1年のうちにこのような大規模なトレードが複数回発生することもあり得ます。
純資産の大きさと銘柄数はファンド選びに重要
ここまで見てきたようにカストディフィーを見積もると結構なインパクトを与えるケースもあります。
結論から言うと、
↑こちらで私がファンド選びにひとまず「信託報酬」と「純資産」を見ておけば良いと言うのはこのような背景もあります。
また、取引件数を考えると銘柄数が多いインデックスを無条件に選ぶのも再考の余地があります。
銘柄数は多ければ多いほど分散投資されて良いと思うかもしれませんが、実際には一定以上の銘柄数が入れば分散投資効果はほとんど影響しません。純資産が小さいファンドであれば、確実にかかるカストディフィーを意識しても良いかもしれません。
それではまた。