真のインデックス投資家なんて存在しない?ゼロサムゲームに参加しないアクティブ運用

こんにちは。YUMAです。

少し古い記事ですが、以下の記事がなかなか面白かったです。部分的に紹介します。

Active vs. Passive Investing and the “Suckers at the Poker Table” Fallacy

バフェットの投資行動と私たちへのアドバイス

世界一有名な投資家であるウォーレン・バフェットは、私たち個人投資家へのアドバイスとして、低コストなインデックスファンド(特にS&P500)を買うべきだと言っています。

一方で、バフェット自身の投資は、成長が持続するような銘柄もしくはブランド力が劣化しないような優良な銘柄を発掘し、正しくバリュエーションを評価したうえで投資、長期で保有するスタイルです。いわゆる厳選銘柄投資とも言えるバリバリのアクティブ投資家です。

なぜ、自分の投資行動とは矛盾する投資スタイルを一般人にアドバイスするのでしょうか?

それはバフェットのように銘柄発掘に秀でている人はほんの一握りだし、長期で保有するだけのリスク耐性(資金面と精神面)は限られた人にだけ備わっていることを知っているからです。

ただ、バフェットは、

I’d be a bum on the street with a tin cup if the markets were always efficient. (市場がいつも効率的であるならば、私は道端の物乞いとなっていただろう)

とも言っており、本質的には市場は効率的ではないと考え、アクティブ投資を信奉していると言えるでしょう。

ポーカーテーブルのカモ

インデックス(パッシブ)投資家は市場ポートフォリオを保有し、アクティブ投資家は独自のポートフォリオを保有する。それら2つを合体すると、これがそもそも市場そのものになるわけです。

つまり、世界中のアクティブ投資家を全て合成すると市場ポートフォリオになり、成績は市場平均リターン(コスト控除前)になるわけですが、その中で勝ち負けというドラマがあります。

誰が勝って誰が負けるのか?

“suckers at the poker table”(ポーカーテーブルにいるカモ)という言葉があります。アクティブ運用というゼロサムゲームにおいては、“dumb active money”(愚かなアクティブ運用資金) がたくさん存在するほど、スマートな投資家は市場平均に勝ちやすいということを揶揄しています。

真のパッシブ投資家は存在しない

自分はパッシブ投資家だからカモにはならない?そんなの関係ない?

ある特定の期間を見ればインデックス(パッシブ)投資家に見えても、投資家には必ず買いと売りのタイミングが存在するため、期間を十分に長く見れば全員がアクティブ投資家なのです。

インデックスのリターンとインデックス投資家が得るリターンは違うということですね。

誰もがアクティブ投資家、、、と言うことは誰もがポーカーテーブルのカモになる可能性はあるということです。

Everyone eventually has to pay Charon to cross the river Styx. (誰もが結局最後にはスティックス川を渡るためにカロンに代償を払わなければならない)

インデックス投資はゼロサムゲームではない

インデックス投資には買いと売りのタイミングがあるためアクティブ性が含まれている。それはそうなのですが、純粋なアクティブ運用とは異なります。

純粋なアクティブ投資とは市場ポートフォリオとは違う独自のポートフォリオを保有するため、特定の時点においてゼロサムとなる損益をお互いに渡し合うゲームです。特定の時点における断面で勝負しています。

対して、インデックス投資は、特定の時点では皆が市場平均と同じ利益を得るゲームです。ただし、個々の投資家を時系列で見れば入り口と出口にアクティブ性がある。アクティブ性は断面ではなく時系列方向に存在するということです。

時系列方向でのアクティブ性はゼロサムゲームではありません。

なぜなら、企業の成長とともに株式市場全体の成長はプラスとなることが期待されるからです。

Once it’s not a strictly zero-sum game, you don’t need “suckers at the poker table” to outperform. (ゼロサムゲームでないならば、アウトパフォームするためにポーカーテーブルにカモは必要ない)

まとめ

インデックス投資はアクティブ投資と対極に位置付けられます。

それはその通りなのですが、インデックス投資家が得るリターンはあくまでアクティブ性を持つということも大事だと思います。

インデックスのパフォーマンスが優れていても、それに投資をする投資家自体の心構えが中途半端であれば、そこから得られるリターンは大幅に劣化してしまうのです。

ただし、ひとたび確固たる信念が備わってインデックス投資を行うのであれば、時系列では株式市場の成長が味方をしてくれますから、いかにアクティブ性を有していてもゼロサムゲームには決してなりません。

なんだか固い話になってしまいました。

それではまた。