アクティブ運用の生き残る道 – パフォーマンスだけでなく顔と運用哲学を売る

こんにちは。YUMAです。

昨日9/15(土)にモーニングスター主催の投信EXPO2018に参加してきました。

毎年開催しているようですが初めての参加です。聴衆は2500人とのことで平均年齢は60歳くらいでしょうか。想定よりおじいちゃん比率が高かったです。東京ミッドタウンのホールを使っているのですが立ち見が出るくらいの盛況でした。

また、様々な運用会社がスポンサーになっており、各社ブースを出してパンフレットやノベルティの配布に勤しんでいました。

パッシブの巨人・バンガードと大人気アクティブ・ひふみ

最初のパネルでは、レオスキャピタルの藤野氏、バンガード日本法人の塚本氏、コムジェストの高橋氏、が登壇しました。

感想を書いておきます。

バンガード

インデックスファンドの土壌を築いたという歴史やブランド、低コスト(信託報酬の引き下げ)を実現できる仕組みをアピールしていました。

恥ずかしながら初めて知ったのですが、バンガードという会社には外部株主が存在せず、ファンドの保有者つまり投資家がバンガードの株主になっている仕組みだそうです。特許ではないが、世界でこの仕組みを取り入れている運用会社はバンガードのみとのこと。

この仕組みにより株主と投資家がイコールになるため、利益相反が生じない。稼いだ利益は株主でもある投資家に手数料引き下げという形で還元できるのだそう。

しかし、この仕組み、概念は理解できますが実際にどういう形態で実装されているか気になります。

けっこう調べてみましたが分かりませんでした。誰か知ってたら教えてほしいです。

ひふみ

早めに会場入りしたので最初のパネルは座って聞けたのですが、そのあとの藤野さんの単独講演はものすごい人気でホールに入りきれないほど。仕方なく別のサテライトホールで音声とスライドだけでも視聴しようとしてもこちらも満員でホールにすら入れず。

相変わらずスゴい人気でビックリしました。(結局諦めました。)

藤野さんは自己資金の資産運用先はほぼ全てひふみ投信とのことでした。自分で運用してるのでこれ以上安心なものはないと。実際はレオスの株が資産の多くを占めているそうですが。

あとはエンジェル投資家として、若手の起業家を応援する意味合いで未公開株も多少保有しているそう。

これからの運用会社に求められるもの

今回、バンガードの話を聞いたり、ひふみ・藤野さんの人気ぶりを見て、やはり運用会社として生き残っていくのに求められるのはブランドと対外発信だと思いました。

バンガード独特の会社所有形態は、低コストという合理的なソリューションで投資家にバンガードを選択させます。しかし、明確に切り分けることはできませんが、合理的な理由ではないブランドといった価値観もバンガードを選択させることを後押ししていると感じます。

 

ひふみ藤野さんは、テレビへの露出や今回のようなイベントで積極的にひふみの投資哲学を分かりやすく伝えています。

最近、コスト引き下げ競争を走る一部のインデックスファンドには資金が集まっていますが、アクティブ運用の投資哲学に共感して資金を集めるには、運用者の顔が見える商品が極めて重要です。顔が見えると言うと農協やスーパーの野菜のようですが同じこと。「裏で農薬をガンガン使って育てている野菜かも」という不安、つまり情報の非対称性を少しでも緩和するために名前や顔を出すわけですが、これは資産運用業界でも同じでフィデューシャリー・デューティーに繋がってきます。

アクティブ運用のファンドマネージャーだからと言って、銘柄調査にばかり時間を使っていても資金は集まらないでしょう。

そもそも運用パフォーマンスという定量評価で圧倒的首位をとること自体に無理があります。

庶民と運用者の情報の非対称性を少なくすることは、運用者をパフォーマンス以外で評価するポイントとなります。仮にパフォーマンスが市場平均と大差なくても、庶民に投資の第一歩を歩ませることは大きな社会貢献です。

大衆の前に出て投資哲学を自分の言葉で語り、自己資金の運用先は自分のファンドだと公言できるマネージャーが、独立系運用会社にしかいないことは残念です。

伝統的な大手運用会社のファンドマネージャーももっとメディアやイベントへの露出を高めて顔が見える運用をアピールしてほしいですね。

それではまた。