テーマ投資という分かりやすさは投資のハードルを下げるか?

こんにちは。YUMAです。

FOLIO(フォリオ)というオンライン証券会社からリリースが出ました。

FOLIOはテーマを選んで投資できるオンライン証券会社で、スマホアプリを通じて手軽に投資をすることができます。

アプリのデザインも結構おしゃれでかっこいい。投資を始めてみようというかなと考えている投資初心者を含む資産形成層をターゲットとしています。そういった意味で、サービスは未だ開始していないtsumiki証券やLINE証券といった証券会社とターゲット顧客は同じになるでしょう。

FOLIOの売りは何といっても「テーマ投資」です。

テーマ投資は投資未経験層を新たに資産形成に呼び込むソリューションとなるでしょうか?

FOLIOのサービスとは?

自分の注目するテーマを選ぶとそれに関連する銘柄にまとめて分散投資できる、というのがFOLIOの特徴です。

  • テーマを選べば選定されたテーマ関連の10社にまとめて投資できる
  • 投資信託ではなくあくまで10社の現物株に投資する
  • 最低で10万円程度とそこそこ小口から投資可能(単位未満株の発注となる)
  • 手数料は売買代金の0.5%(税抜き)
  • テーマ銘柄や構成比率は定期的にリバランス提案される(実際に注文するかは投資家が判断できる)

用意されている投資テーマには、「VR(仮想現実)」「ドローン」「人工知能」といったものから「カジノ解禁」「アンチエイジング」「ようこそ日本へ」「寿司」などなど多彩です。

リバランスの提案をするあたりはロボアドの要素も入ってますね。

スマホアプリで買い物する感覚で発注ができるそうですよ。

SBI証券にとってもFOLIOは怖い存在

実はSBI証券もFOLIOと全く同じと言えるテーマ投資のサービスを提供しています。

SBI証券の「テーマキラー」というサービスです。

↑どうですか??ほとんど同じサービスに見えますよね(笑)このサービスを先に始めたのはFOLIOです。

SBI証券はこれを脅威と受け取り、パクリと言っても過言ではないサービスを即座に始めました。

「あなたの好きなテーマを選ぶだけ!」魅力的なキャッチフレーズなんですね。

テーマ投資はアクティブなのか?パッシブなのか?

私が着目したいのはここです。

従来、テーマ型ファンドというのはその時の流行りのテーマで販売会社が主導で投資信託を設定し、当初大きな金額を集めるものの、その後はテーマが廃れ資金流出が続くというパターンでした。それでも販売手数料が儲かるので販売会社からしたらドル箱のようなものでした。最近は、このような手法に対して金融庁からフィデューシャリー・デューティーという形で圧力がかけられてきており、一時期ほど見かけることはありません。

FOLIOに話を戻すと、テーマに関連する10社に投資するので、普通に考えたらこれはバリバリのアクティブ運用のポートフォリオです。

しかし、テーマに関連する10社と言われると、非常に透明性が高く感じられ、ルールベースの運用のように聞こえます。

実際にはパッシブ運用ではないのに、自分で選んだテーマにルールベースで投資する。これによって、投資家のマインドセットはインデックス・ファンドを選ぶのに近くなるのではないでしょうか。

「投資のハードルを下げる」とはすなわち「いかにパッシブなマインドで投資をするか」ということに他ならないのです。

テーマ投資の行く末はいかに

先述したように、これまでのテーマ投資は販売会社が無知な個人投資家からお金を巻き上げるための悪徳商品でした。

しかし、ここにきて過去の悪徳商品とは一線を画したテーマ投資が現れてきました。

テーマ投資は日本の庶民に資産形成を普及させるポテンシャルを秘めているのかもしれないと思い始めています。

日本では金融教育がなされないために、どんなエリートでも成績優秀者でも資産形成の方法を知らず、投資に恐怖心を持っています。

庶民にとっての投資のハードルを下げるには、「いかにパッシブな心持ちで投資ができるか」にかかっていると私は考えます。

本来は、インデックス投資が最も入りやすいソリューションだと思うのですが、インデックスファンドは見た目に派手さがなく、一部の人にとっては退屈で面白くありません。

もしかすると、そういう人達にはテーマ型投資が次善の策として良いのではないかと、つまりパッシブな心持ちでの資産形成になるのではないかと思います。

それではまた。