効率的市場のイメージは?成り立っている市場はある?

こんにちは。YUMAです。

効率的市場では全ての証券が適切に価格付けされていて、価値が見落とされているような掘り出し物はないはずです。

これは株式市場において成り立っているでしょうか?

そこそこ成り立っているように見えるものの、長期で見てリスク控除後リターンが高い銘柄もあるし、数年以上にわたって市場平均をアウトパフォームするアクティブファンドもあります。

では株式市場以外ではどうなんでしょうか?

効率的市場をワインで例える

大学院でのファイナンスの講義にて、ある先生が「効率的市場はワインの買い物をイメージする」と言ってました。

どういうことか?なぜワインが例に出されるのか?

ワインというのは「本質的な価値はほとんどの人が分からないけど高ければ美味しいだろう」という典型的なイメージを持つ商品だからです。産地、年代、ブドウの品種など、高いワインには高いだけの理由があるはずだとの共通認識を多くの人が持っています。

この共通認識というのが大事です。

友人の結婚祝いにプレゼント、フレンチで彼女とディナー。こんなときにワインリストを見てワインの価値と適正な価格に齟齬がないことを確認したうえで注文できる人がどれだけいるでしょうか?

ほとんどの人には細かい味の違いなんて分からないし、品種による違いも適正な値段さえも判別できません。

大多数が正しいと信じて疑わないこと

このくらいの値段ならそこそこ美味しいに違いない。相応の価値があるに違いない。そう思って自分の予算や状況に応じてワインを買ったり注文したりする人がほとんどでしょう。

つまり、多くの人は予め提示されている価格をそのまま信じています。そして、これこそ効率的市場が成り立っている場合の典型的状況です。

購入しようか検討する対象の価格付けを無条件に正しいと信じる。間違っているなら既に誰かが指摘しているだろうし、なんなら裁定取引によって歪みが解消されているはずだから。

はたしてその価格付けは正しいのか?

実際はどうでしょうか?

今はセブンプレミアムでワンコインで買えるワインがありますね。商店街の酒屋で買うワインと比べてどうでしょうか?

基本的に大した違いがなくても酒屋は高いですよね。物流コスト、人件費、関税など、ワインそのもの以外のところで大体の価格は決まっているからです。ワインの場合は価格と本質価値が連動しているとはあまり言えないでしょうか。

金融市場以外での効率的な市場

その他の商品は?

ウィスキーは私も好きですが、おそらくワインよりは価格付けが効率的かもしれません。と言うのもワインより商品数やブランドが少ないからです。あとワインに比べて大衆化の度合いが低くホームパーティーとかには使われないので、ワインのようにテキトーな値段をつけといても売れるってことは少ないのでしょう。

この辺りの矛盾は面白いですね。

肉、魚、野菜などの生鮮食品はどうでしょうか?これも24時間スーパーとかだと高いですよね。デパートは質が高くて値段も高い。人件費とか設備費用とかブランドが価格に反映されるからですね。

その他の大抵のモノもそうですが、物流コストや人件費などが値段のほとんどを左右していることが多いですよね。

株式市場は他に比べたらかなり効率的

ワインやその他の小売り商品と違って常にオークション方式で価格が決まっていくという特性を持つ株式市場はだいぶ効率的になっていると言えるでしょう。

また、小売り商品と違って株式市場はどれだけシステムにお金がかかろうとも株価には影響しません。

勿論、バブルというものもありますが市場参加者の合意によって価格形成されていればバブルさえも効率的な価格付けの帰結と言えます。

株式市場が効率的だとして投資家にできることは何か?

効率的市場では、均衡状態においてリスク控除後で他者を上回るリターンを示す銘柄はないとされます。

リスク控除後というのが重要です。

つまり、効率的市場仮説は、高いリスクをとれば高いリターンを獲得できる可能性を否定しないからです。

続きはまた今度にします。

それではまた。