こんにちは。YUMAです。 P2Pという言葉が色々なところで使われるようになってきています。 P2P とは? 将来ど…
インデックスファンドはどのように運用されている?ポートフォリオを作る方法を紹介!
あまりアピールしていないですが、私は自称インデックス投資家です。アクティブファンドは持ってません!!
インデックスファンドとは特定のベンチマーク(対象指数)に連動する商品です。
インデックスファンドのファンドマネージャーには少しでも連動性が高くなるような運用スキルを求められます。
インデックスファンドとベンチマークの値動きのズレをトラッキングエラーと言います。トラッキングエラーが大きいファンドは運用スキルが低いとされ、優秀なインデックスファンドほどぴったりとベンチマークに連動します。
そこで、今回はインデックス運用における代表的なポートフォリオの構築手法を3つ紹介します。
ポートフォリオ構築方法は大きく分けて3種類
①完全法
- 概要
その名の通り、一切妥協をすることなく完全にベンチマークと同じポートフォリオを作ります。一番シンプル。ベンチマークが3,000銘柄のポートフォリオであれば、インデックスファンドも同じ3,000銘柄を保有します。ベンチマークの中の各企業の構成ウェイトがA社=2.53%、B社=1.21%…となっていたら、保有ウェイトを合わせます。つまり、運用残高100億円のインデックスファンドであれば、A社の株を2.53億円ぴったり保有することになります。
- メリット
基本的にベンチマークを完全複製するポートフォリオなので値動きの連動性は高くなります。
一度、構築すれば追加的な売買は少なくて済みます。
- デメリット
全銘柄をウェイト通りに保有するには大きな純資産が必要です。(純資産が小さいと多数の銘柄が買えない。また、売買単位の株数によってはぴったりのウェイトに合わせられない)
②層化抽出法
- 概要
国や業種などのグループから代表的な銘柄を抽出して、グループ単位での保有ウェイトをベンチマークの構成ウェイトと合わせます。 多数の銘柄が保有できず完全法が適用できない場合でも、国や業種などの特性をベンチマークと合わせることを目指す、いわば次善策と言えます。
例えば、ベンチマークの中に、日本の自動車銘柄が30銘柄入っていて構成ウェイトが2%だった場合、トヨタとホンダと日産の3銘柄だけで2%を保有しても、大体の特性(日本×自動車)は合わせることができるだろう、というイメージです。
- メリット
代表銘柄を抽出して保有するので、ある程度特性を合わせながら保有銘柄数は少なく済ませられます。
- デメリット
代表銘柄のみ保有するので、保有しない銘柄の特殊な要因を捉えられず完全法に比べて連動性はやや落ちます。
③最適化法
- 概要
層化抽出法と似ていて、完全法のように全銘柄を保有できない場合にポートフォリオの特性をベンチマークと合わせるようにポートフォリオを作ります。
ただし、その手法はグループ分けではなく、計量モデルによって最適化計算されたポートフォリオを保有します。
実際には、国や業種だけでなく、企業規模や収益性など様々なリスク特性がベンチマークに近くなるように最適化計算します。
- メリット
最適化計算のときに制約条件を付けられるので、銘柄数などを意のままに抑えることができます。
- デメリット
計量モデルの誤差を含むほか、リスク特性を合わせるにとどまるので連動性は劣ります。また、 最適化ポートフォリオが時間変化するので売買が必要となります。
3つの手法のメリット/デメリットをまとめると以下のようなイメージとなります。
完全法 | 層化抽出法 | 最適化法 | |
連動性(トラッキングエラー低い) | ◎ | 〇 | 〇 |
銘柄数 | △
(全銘柄) |
〇
(コントロール可) |
〇
(コントロール可) |
売買頻度(取引コスト低い) | ◎ | 〇 | △ |
透明性(分かりやすい) | ◎ | 〇 | × |
基本的に、純資産の大きいファンドは完全法を採用します。
つみたてNISA対象ファンドの銘柄数を見てみよう
例によって金融庁のつみたてNISA商品ラインナップを見てみましょう。
ここでは、連動対象がMSCI World Index(実際にはMSCIコクサイ・インデックスに連動)となっている商品の銘柄数を見てみます。
データ出所はすべて運用会社HPにある2018年4月末基準のマンスリーレポートです。
ファンド名称 | 運用会社 | 銘柄数@4月末 |
たわらノーロード 先進国株式 | アセットマネジメントOne㈱ | 1,320 |
iFree 外国株式インデックス | 大和証券投資信託委託㈱ | 1,325 |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント㈱ | 1,312 |
野村インデックスファンド・外国株式 | 野村アセットマネジメント㈱ | 1,330 |
外国株式指数ファンド | 三井住友アセットマネジメント㈱ | 1,329 |
i-SMT グローバル株式インデックス(ノーロード) | 三井住友トラスト・アセットマネジメント㈱ | 1,323 |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 三菱UFJ国際投信㈱ | 1,324 |
つみたて先進国株式 | 三菱UFJ国際投信㈱ | 1,324 |
Smart-i 先進国株式インデックス | りそなアセットマネジメント㈱ | ??? |
若干の差はあれど、どの運用会社のファンドも銘柄数は1,320前後となっています。 同時点でのMSCIコクサイ・インデックスの銘柄数が1,327ですから、どのファンドも完全法を採用していると考えてよいでしょう。りそなAMのSmart-i先進国株式インデックスだけ、マンスリーレポートに銘柄数の記載がありませんでした。 電話で問い合わせましたが、「ファンドが最初の決算を迎えたら運用報告書には記載する」とのことでした。
層化抽出法や最適化法はどんなときに使うの?
つみたてNISAに採用されるような株式のインデックスファンドは基本的に完全法を採用します。 純資産も十分に大きいものがほとんどですし、わざわざ層化抽出法や最適化法を使って連動性を犠牲にする必要がありません。
では、どんなときに層化抽出法や最適化法を使うの?という話ですが、以下のようなケースで使われることがあります。
- 純資産の小さいファンド
- 流動性の低い証券を組み入れるファンド
まとめ
基本的に株式のインデックスファンドで、メジャーな指数に連動する商品は完全法で運用されています。
ただし、完全法だからといってトラッキングエラーがでないというわけではありません。
様々な要因でトラッキングエラーは発生し、それをいかに小さく抑えられるかがファンドマネージャーの職人的なスキルとなります。
また別記事で少しずつまとめていきたいと思います。
それではまた。