【初心者向け】株式投資信託の基準価額はいつの株価と為替レートで評価される?

こんにちは。YUMAです。

基準価額は1日に1回だけ存在する投資信託を評価する価格です。

投資信託の基準価額が算出されるときに、いつの株価が使われているか知っていますか?

この記事の説明を読んでいただければ、基準価額算出に使う株式の評価方法が分かり、インデックスファンドのファンドマネージャーの売買行動も見えてきます

この記事では一般的な株式の投資信託を前提に解説します(例外もあります)。

投資信託の申込日と約定日

まず、株価や為替レートの話をする前に投資信託の「申込日」と「約定日」を知っておきましょう。

投資信託には「当日申込の締切時間」が通常13~15時に設定されており、その時間よりも前に発注をすれば、当日の申込として金融機関に受け付けてもらえます。
申込日は当日となります。

一方で、約定日というのは実際に投資信託を売買する基準価額が決まる日です。

約定日は投資先が国内株か外国株を含むかによって、以下のように変わってきます。

  • 日本株だけに投資する投信:申込日=当日、約定日=当日
  • 外国株にも投資する投信:申込日=当日、約定日=翌営業日

例えば、SBI証券で “三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国株式インデックス” を見てみると、申込締め切り時間は「当日15:00まで」、約定日は「ご注文の翌営業日」となっています。

つまり、15時までに発注すれば申込日は当日、先進国(外国)株式なので約定日は1日遅れて翌営業日になります。

“三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)”を見てみると、約定日は「ご注文当日」となっています。

仮に、今日が2018/5/8(営業日)だとして、15:00前にeMAXIS Slim 先進国株式インデックスの買い注文を出したとしましょう。

このときの申込日と約定日は、以下のようになります。

申込日=2018/5/8
約定日=2018/5/9(外国株なので約定日は申込日から1日遅れる)

自分の出した注文は約定日の基準価額で売買することになります。

基準価額の算出に使う株価の時点

売買する価格は約定日の基準価額なので、そのときの基準価額がどのように算出されるかが大事だということが分かりましたね。

結論から言うと、株式の投資信託の基準価額を算出するために使う株価は、

国内株=約定日(当日)
外国株=約定日の前営業日(国内株より1日古い)

です。

例えば、上の例で示したeMAXIS Slim国内株(TOPIX)を5/8の昼に発注した場合は、申込日=5/8、約定日=5/8なので、5/8当日のTOPIXの終値で売買をしたイメージになります。
当日のTOPOIXが前日より下がっていれば、前日比で安く買えたことになります。

もし、これがeMAXIS Slim先進国株であれば、申込日=5/8(当日)、約定日=5/9(明日)なので、明日の基準価額で売買されることになるため、安く買えるか高く買ってしまうかは分かりません。

ただし、明日の約定に使われる基準価額は前営業日(1日古い、つまり今日)の株価を使って算出されるので、実際には申込日当日の5/8の外国株の終値で売買したイメージになります。

5/8の日本時間の夜にアメリカ株が大きく下がっていれば、前日の基準価額と比べて安く買える可能性が高いでしょう。

eMAXISを含むほとんどの先進国株の投信はMSCIコクサイ(アメリカ株が65%を占める)に連動することを思い出してください。

【初心者向け】先進国株式インデックスファンドなのにMSCIコクサイ!?なぜわざわざ日本を除くの?

複雑ですよね(笑)
もう一回、まとめます。

外国株投信の場合は、今日申し込みをしても、1日遅れて明日の基準価額で約定(売買)されますが、明日の基準価額に使われる外国株銘柄は今日の終値で評価されるので、今日の終値で売買したことになるのです。

為替レートは約定日の午前10時のもの

外国株投信の株価の時点の話が整理できれば為替レートの話は同じことになります。

結論から言うと、外国株投信の中の銘柄を評価する為替には、約定日の午前10時の為替レートが使われます。

例えば、5/8に発注した外国株投信の約定日は5/9になるので、5/9の10:00の為替で売買したことになります。

もし、10:00時点で為替が大きく円高(外貨安)になっていれば、その分だけ外国株を安く買えたことになります。

また、例えば日銀の政策決定会合で昼過ぎの為替レートが大きく動いたとしても、今日の基準価額は10:00の為替レート使われるので、為替については影響を受けません。

まとめ

いかがですか?

うまく説明できたか自信がありませんが、株式の投資信託の基準価額は、

国内株であればシンプルに「今日の発注は今日の約定だから今日の終値で売買執行したことになる」のに対して、

外国株は「今日発注しても明日の約定になるけど、明日の基準価額には今日の外国株の終値と明日10時の為替レートが使われるので、今日の終値と明日10時の為替レートで売買執行したことになる」

とうことです。

この仕組みが整理できれば、インデックスファンドのファンドマネージャーがどのような売買をするのか明確に見えるようになりますよ。

そのあたりは後日にします。

それではまた。