ウィスキーという投資先を検討してみる

こんにちは。YUMAです。

突然ですが、資産運用としてウィスキー投資を検討中です。

ワインファンドなどは聞いたことある方もいらっしゃると思います。

実際にウィスキー投資には踏み切れていないのですが、調べたこと、リスクなどをまとめます。

なぜウィスキー投資に興味を持つのか

時間を味方につけやすい

資産運用の極意は「お金に働いてもらうこと」「時間を味方につけること」の2つです。

ウィスキーは、通常、時間が経つほど価値・価格が上がるとされています。

マッカランxx年というウィスキーを検索してみてください。

熟成年月が長ければ長いほど値段が高くなっていることが確認できます。

なんだかこれは資産運用と相性が良いのではないか?と思ったのが最初のきっかけです。

マッサンを含めたブーム

かつてNHKの朝ドラで、山崎に日本初のウィスキー蒸留所を誕生させた亀山政春氏の激動の人生が描かれ大ヒットしました。

私はこのドラマを見たことはないのですが、世界的なウィスキーブームと相まって、ジャパニーズウィスキーというブランドが海外からも注目され一段と人気化し、供給不足になってきています。

これからもウィスキーへの選好・需要は衰えることなく増え続けるのではないかと思います。

ウィスキー製造への貢献

マッサンがブームとなったときに知ったのですが、ウィスキー製造で最も苦労することの一つが、資金調達だそうです。

ウィスキーの製造には長い時間がかかるため、プロジェクトとしてのウィスキー製造においては、投資や融資のリターンを回収するまでの時間が長くかかります。

そのようなリスクを嫌がる人が多いため、資金の出し手になってくれる人が少ないという課題が大きいそうです。

時間軸を長くとれる投資家、つまり資産運用を考えている人からすれば、長期で見ればリターンの確度も高まるのがウィスキーですから、ウィスキー製造業界への貢献も含めて投資を考えてみたくなるのが呑兵衛ファンドマネージャーというものです。

投資方法の紹介

実際にウィスキーに投資するにはどうしたらよいのでしょうか?

実物投資は現実的ではなさそう

一番単純なのはウィスキーの現物をお店で買って家で保存しておくという方法です。

ただし、この場合はウィスキーが古くなるだけであって、熟成させていることにはなりません。

マッカランxx年、のようにxxの年月を伸ばすには市販のウィスキーではなくて、原酒を仕入れて熟成させるプロセスが必要です。

これは素人では難しいでしょう。

希少価値の高いウィスキーを買っておいてあとから値上がり益を狙うというのにとどまりそうです。

取引所でウィスキーの所有権を売買する

調べたところ、日本国内にはないのですが、英国に個人投資家でもウィスキーを売買できるWhisky Invest Direct という取引所サイトがあります。

詳細は調べきれてないのですが、おそらくウィスキー樽の所有権を小口に分けたモノを売買しているのでクラウドファンディング(セカンダリ市場を含む)のようなものだと思います。

実際にどのように取引されているのでしょうか?Whisky Invest Direct のページを見てみましょう。

株式取引と同じような板(ビッドアスク)がリアルタイムで見れる!

Whisky Invest Directのメニューから”BUY/SELL”、さらに”Live order board”をクリックしてみましょう。

以下のような画面が現れます。

£は英国通貨のポンドです。

左端の赤枠”DISTILLERY”はウィスキーの製造所や種類(モルトかグレインか?新しい樽かRefillか?など)を示しています。

その右の青枠は、そのウィスキーの年期です。
この画面では、上のドロップダウンで直近2年分だけを表示するようにしています

その右の紫枠は、実際の市場における価格付けになります。
株価の板を見たことがある人であれば、全く同じだということが分かりますね。
SELLの£1.04であれば売りたい人は最良でこの値段で売れますよ、ということを意味しています。
買いたい人はBUYを見て、£1.05ならば買えますよ、という意味です。
値段の下の1,700 LPAというのは、取引のボリュームです。株でいえば気配の株数ですね。
LPAという単位はLitres of Pure Alcoholの略で、1LPAというのはアルコール100%換算で1リットルになるウィスキーの量のことです。
分かりにくいですが、例えばアルコール度数が40%のウィスキーであれば、1LPAは「2.5リットルのウィスキー」を意味します。2.5リットルの中には40%のアルコールがあり、すなわち1リットル相当のアルコールに相当するからです。
1LPA=100/(アルコール度数)と覚えておきましょう。

このLPAの数値が高いほど取引量が多く、流動性が高いことを意味しています。

経過年数と価格のチャートは美しい右上がりで気持ちも高まる!

Whisky Invest Directのメニューから”CHARTS”をクリックしてみましょう。
以下のような画面が現れます。

このグラフは、縦軸をウィスキーの「価格」(1LPAあたりのポンド建て価格)、横軸をウィスキーの「経過年数」としたときの過去に実際の平均的な取引データを示しています。
上のドロップダウンからウィスキーの製造所や種類などを指定し、その下で横軸を調整できます。

ウィスキーは基本的に古いほど価値が上がるので、右肩上がりのグラフになります。

この例でいえば、製造から2年しか経過していないものは値段が約1.60(£/LPA)であるのに対して、経過年数が4年のものは約2.00(£/LPA)となります。

全く同じ種類のウィスキーであっても、2年経過すると値段が25%(2.00/1.60=1.25)も上昇することになります。
年率換算で11.8%の上昇率ですので、他の資産運用と比べるとかなり値上がりが期待できますね。

ただし、後で説明するように、実際には取引コストなどを考慮する必要がありますので、投資家が受け取れるリターンはもう少し低い水準となります。

注意すべきリスク

チャートを見る限り、大きな値上がりが期待できるウィスキー投資ですが、注意すべき点がいくつかあります。

取引にかかるコスト

売買手数料は片道1.75%

取引コストですが、1回の売買につき1.75%の取引手数料がかかります。

買って売ってで3.5%かかるので、単純に名目上のリターンから3.5%低いリターンとなります。

まあ、アクティブファンドで3%の買付手数料をとってるのも多いことを考えれば妥当かもしれません。

保管コスト(固定費)が結構高い

取引にかかるコストとは別に、投資して保有し続けることに固定コストがかかります。

投資信託でいうところの信託報酬みたいなものですね。

年間でウィスキー1LPAにつき0.15£がかかります。月額で0.0125£です。

1£で1LPAを買えるウィスキーがあったとすると、年間で15%程度の保管コストをとられます。5£のウィスキーであれば年間3%です。

結構高いですね。

アクティブファンドでもこんなに高い信託報酬は取りませんよね。

だったらとりあえず、試しに1£だけ買ってみようと思いますが、最低でも月額で3£はとられるそうなので、このやり方も使えないでしょう。

やはり、ウィスキー投資するならある程度のまとまった資金で投資しないとコスト割れは必至となります。

ポンドの為替リスク

先ほどからご紹介している例からお分かりと思いますが、ここの取引は基本的にポンド建てとなります。

為替リスクを負うことに注意しましょう。

しかも、英国はBREXITが決まり、この先の経済的な安定が保てるのかという不確実要素もあります。

ポンドに張るリスクを見極めきれず、私が投資に踏み切れていない理由もここにあります。

ウィスキー自体の値下がりリスク

ウィスキーは基本的に古くなるほど価値・価格が上がるとされていますが、それは、同じ品種・条件のウィスキーであれば、新しいものより古いものの方が「相対的」に価値が高いことを意味しています。

例えば、熟成年数が短くてもブランドによって価値が高いものもあります。

また、ウィスキーの相場自体が下がるというリスクもあり得ます。

この場合、同じウィスキーで見れば古いものの方が新しいものより取引価格が高いという関係性は保たれつつも、投資時期よりも全種類のウィスキーが同様に値下がりすることによって損失に繋がります。

チャートで言えば、形状は右上がりのままでも、水準自体が下方シフトするということですね。

まとめ

ウィスキー投資、かなり面白そうです。

名目上のリターンとしては年率10%を越えますが、売買手数料3.75%、保管コスト等もかなりかかります。

リスクとしてはポンドの為替リスク、ウィスキー相場のマーケットリスク等があります。

資産分散としては株式とは相関が低そうなので効率的かもしれませんが、私はなかなか投資に踏み切るには至っていません。

投資経験者がいれば是非レポートしていただきたいものです。

ではまた。