振り込め詐欺の冤罪によってブラックリスト入り。銀行口座が作れなくなった話⑤(完結)

こんにちは。YUMAです。

続きです。第1回目はこちら↓

手詰まり感が出てきました。私が相談できる先は「△△署」か「某ネット銀行」の2つしかありません。最終手段は弁護士という選択肢になりますが。

ここまで調べてきた中で分かっていることは、銀行口座が作れない原因となっているブラックリスト(犯罪被害に関与した疑いのある口座名義リスト)は警察が所管しているということです。

警察と某ネット銀行をぶつける

今の状況を整理すると以下の通りです。

  • 〇〇県△△署に対し、報告された詐欺被害は私ではなく個人情報を悪用した冤罪だと相談するが取り合ってもらえず
  • 悪用された口座のある某ネット銀行の犯罪対策課に無実を証明したいと再三相談しても取り合ってもらえず

両者には何度電話したことか。

トータルで何時間電話したか分からないほど時間をかけて相談し、様々な選択肢を提案しました。しかし、基本的にはいずれも取り合ってもらえないことに変わりはありませんでした。

特に良いアイデアだと思ったのは、△△署と某ネット銀行の2者で話してもらう作戦です。

ここまでの事実が判明する過程でもこの作戦は功を奏していました。過去に書いた通り、最寄り警察署の生活安全課の担当者と私が日常生活で使っている赤銀行の担当者に「私抜きで」直接話してもらったことがありました。

こうすることで、銀行としては私に直接出せない情報でも警察相手には出せたり、警察としても伝言ゲームではなく銀行から話を聞き正確に状況を把握することができるはずです。

しかし、これもうまくはいきませんでした。理由は△△署の担当者が拒否したからです。拒否する理由はいろいろ述べていましたが、要は「警察としては何らかの話し合いがうまくいくように民間企業に直接働きかけることはできない」というのが理由でした。「警察が動くのはあなたが被害者の場合です。被害者となるためにはまず被害届を出してください」こんな感じです。

民事不介入というやつでしょうか?それはそうかもしれませんが、もはや一般的な話し合いではなく犯罪事件が絡んでいるのでもう少し何とかならないかという思いもあったのですが何度頼んでも結果は同じでした。

警察側から某ネット銀行と話はできないと言われた以上、これを某ネット銀行に伝えても意味はなく、やはり八方ふさがりの状況には変わりないのでした。

弁護士を頼るしかない

こうなるともはや最終手段です。登場人物全てに相談し尽くしても解決に向かわない。であれば弱者の味方である弁護士に相談するしかありません。

と言っても、弁護士に相談などしたこともありませんから勝手が分かりませんし、費用がどれだけかかるのかも分からないし正直怖いところ。いきなり高額の弁護士相談に行くのも不安です。

まずは色々調べてみると弁護士ドットコムという掲示板のようなサイトがありました。ちなみに株価(6027マザーズ上場)もいい感じです。月額料金がわずかにかかりますが、ここで検索してみると私と同じような相談をしている人を何人か見かけます。私が窮している状況と同じ被害を受けている人は実はたくさんいるようです。ただし、どの質問に対しても回答は一筋縄ではいかない内容です。

さらに色々調べたところ、法テラスなる存在も初めて知りました。また、私の住んでいる区が区内在住者のために週1回、弁護士との30分無料相談会を提供していることを知り、ひとまずそこに相談に行くことにしました。

相談に乗ってくださった弁護士さんはとても優しく親切で、この手の話は取り扱ったことはないとのことでしたが一般的な状況はよく把握されている様子でした。

  • 振り込め詐欺の激増に伴って急いで法整備がなされた
  • 被害のストップが最優先であったため少し厳しめの運営になっていると聞いている
  • 警察が所管しているので「ブラックリストから消せ」と言う相手は警察になるかも。そうなると非常に難しい
  • 警察よりも某ネット銀行の方に情報提供を働きかける方が筋かもしれない(内容証明などの手段もある)

30分で相談できたのはこんな感じでした。内容証明というのは聞くまで知りませんでした。簡単に言えば、、某ネット銀行が電話でいくら相談しても情報提供をしてくれないので、「これこれの背景と理由があるので情報提供を求める」という主張を某ネット銀行が無視できない形で通達することのようです。これによって法的にしっかりした理由がない限りは返答せざるを得なくなる。弁護士にお願いすると数万円程度でやってくれるそうです。

正直どれだけのパワーがあるのか不明ですが、もはや私が選択できるとしたら手段はこれしかないように感じました。

費用と効果を再考する

弁護士さんとの30分だけの会話でも少しは方向性が見えました。これ以上、警察に相談するのはおそらく時間の無駄で、それよりは某ネット銀行に働きかけた方がまだマシ。

また、弁護士さんとの会話のなかで、私がそもそもの目的を見失いつつあったことにも気づきました。

私名義の銀行口座が悪用されたことが原因でブラックリストに載ってしまった。そこから自分の名前を消したい。でもそれはただの原因です。あくまで目的は銀行口座を作れるようにすること、さらにその先の目的は銀行からローンを借りることです。

仮にこの先に費用をかけた結果としていろんなことがうまく流れ、某ネット銀行が私の無実を認めて警察に証明してくれたとしても、警察が間違いを認めてブラックリストから私の名前を消してくれるだろうか?

もっと言えばブラックリストから名前が消えたところで本当に銀行口座が作れるようになるだろうか?(ちなみにこの免罪ブラックリストの問題を解決できた例は過去にありません)

↓私の置かれた状況はこちらが参考になります。

ここまで調べてきた中で推測できたことは、各銀行は口座開設の可否は独自で行っていること。ブラックリストは警察マターなので当然ダメ。だけど、当然ながら銀行内部にはその他の様々な条件もあり、それらを考慮して口座開設の可否を決めているはずだということ。

そうなると例えば、ブラックリストから私の名前が消えても、過去に載っていたというデータがあったら銀行側は口座開設を拒む可能性もあるのではないか?

銀行からすれば過去にブラックリストに記載のあった名義の口座を開設して、万が一でも何かあればスキャンダルですが、私ひとりの口座開設を拒否したところでダメージなど皆無です。多少でもリスクがあれば保守的な運用をするのが銀行側のモチベーションではないでしょうか?

こう考えていくと、そもそもの目的を達成することは非常に困難である気がしてきました。内容証明という数万円の費用を払うかどうかの判断を迫られた段階になって初めて、そもそもの私の目的と、その先にある目的達成の可能性が非常に低いということに気づきました。

そして、、「ブラックリスト問題の解決のためにこれ以上労力をかけるのはやめよう」と、悔しいけれど泣き寝入りするしかない状況を受け入れました。

免罪を晴らすことが最終目的ではありません。人生にはその他に楽しみもあれば考えなくてはいけないことも山ほどあります。

負けるが勝ちなんて言葉もありますが、私は逃げたわけではなく総合的な判断でこれ以上もがくのをやめたのです。

↓この辺りも参考になります。

不動産投資のローンを借りるまで

個人情報の漏れ。クレカと銀行口座の不正利用。警察と銀行で共有される犯罪名義ブラックリストに載っているため銀行口座の新規開設ができないこと。一連の悲劇とその泣き寝入りを受け入れた私ですが、実際にはその後少ししてからローンを組んで不動産投資を始めることができました。

銀行のローンを引っ張るには、大抵の場合はその銀行での口座開設が必要です。口座開設が適わない私は銀行からのローンは諦める必要があります。

しかし、ノンバンクと言われるいくつかの信販系が提供するローンは、必ずしも新規の銀行口座開設を必要としません。

ノンバンクとは、カードローンで言えば例えばアコムやプロミスなど、不動産投資ローンではオリックス(銀行もある)やJACCSといった会社があるようです。

彼らは特に銀行口座に指定がなく、今保有している銀行口座でローン支払いの対応をしてくれます。もちろんしっかりしたローン審査をパスしたうえでの話です。

このローン審査が肝です。彼らは銀行ではないし口座開設もしないので、一般的な銀行口座開設の審査フローとは別の可能性があります。つまり、あの警察所管のブラックリストを参照しない可能性があります。

普通、ノンバンクもまた融資のためのお金を別の金融機関から借りるはずなので、裏には銀行が登場するケースがあります。しかし、生保や損保などの金融機関から借りてくる可能性もあるのでまだ希望はあるのです。

ということで、試しに新規の銀行口座開設を必要としない信販系の金融機関にローン審査を出してみた結果、、無事にパスすることができました。

この選択肢が初期の段階で出てこなかったのは、一般的に銀行(や銀行+信販の提携)よりも借入金利が高めになってしまうデメリットがあるからです。しかし、銀行の口座開設を諦めた以上そんなことは言っておれなくなりました。なんにせよひとまず無事にローンを組むことができ、不動産投資を始めることができました。

銀行口座が開設できない問題は依然として続いていますが、この状況に苦しめられている人はほかにも大勢いるはずなので、私を含めてその人たちの声が大きくなってくればやがては時間が解決してくれるのではないかと信じています。

以上、長々と黒歴史について記事にしてまいりましたがこれにて完結です。

それではまた。