明日からMSCI Emergingに中国A株がいよいよ採用!

こんにちは。YUMAです。

これまで何度か紹介してきたMSCIのインデックスシリーズは、世界的に広く使われているベンチマークです。

MSCIは年に4回(毎年2, 5, 8, 11月末)の定期リバランスにより銘柄見直しを行います。このリバランスによって、各インデックスの構成銘柄が変更されたり、浮動株調整係数が変更されたり、先進国と新興国の国分類が見直されたりします。

浮動株調整についてはこちらを↓

今日は5月末なのでMSCI定期リバランスの日です。

今回のリバランスの目玉はなんといっても、中国A株が新たにMSCI Emerging インデックスに採用されることです!

中国A株ってなに?

Wikipediaによれば以下の通り。

A株(エーかぶ)とは、中華人民共和国(中国)の上海深圳の株式市場に上場している同国企業を対象とした市場の種別で人民元で取引される。

中国には上海、深セン、香港のように取引所が複数あります。これまで中国人は上海・深セン取引所で、外国人のほとんどは香港取引所でしか株式の売買はできませんでした。

香港上場の中国株をH株と呼ぶのに対して、上海上場の中国株はA株と呼んで区別されます。

MSCI Emerging インデックスはグローバルな投資家のための指数ですから、中国株は約3割入っていますが、全て外国人でも自由に売買できるH株だけがこれまで組み入れられていました。

ここ最近の中国当局の制度変更により、外国人投資家も少しずつですがA株の取引所にアクセスできるようになってきており、この状況を反映して、このたびMSCIもA株をインデックスに正式採用することにしたのです。

これまで取引所によって中国人と外国人の投資規制が敷かれていたことから、中国の大型銘柄には香港と上海の両方に上場している銘柄が多いです。

そして、同じ中国企業の株式であってもA株とH株では株価水準の差が大きい銘柄がたくさんあります。ほとんどの銘柄において、H株よりもA株の方が割高に価格付けされています。これは、中国の個人投資家は熱狂的な価格付けをするからだと言われています。

MSCI Emerging にどれくらいのA株が入るの?

今回の5月末の定期リバランスで組み入れられる中国A株は約230銘柄ほどです。これまでのMSCI Emerging インデックスの銘柄数が800強でしたから、銘柄数は一気に増えて、明日からは全体で1,000銘柄を越える指数になります。

しかしながら、MSCI Emerging インデックスに組み入れられる中国A株のウェイトはわずか0.4%程度です。これまでも中国はH株が3割入っていたので追加されることによるポートフォリオへの影響はほぼないと言って良いでしょう。

3か月後の8月末の定期リバランスでは倍増する予定ですが、それでも今の株価水準であればA株全体で1%もいかないでしょう。

さらにその後は少しずつA株の組み入れは増えていくとされてますが、具体的なスケジュールはまだアナウンスされていません。

世界中のインデックスファンドマネージャーは今日リバランス売買をする

MSCI の全てのインデックスは同じタイミングで定期リバランスが行われます。

MSCI コクサイもMSCI World もMSCI Emerging も、MSCI と名のつくインデックスは明日からリバランス後のポートフォリオになるのです。

中国A株は新しく追加されるので、詳しく解説しましたが他の国でも新しく組み入れられる銘柄もあれば除外される銘柄もあります。

それらのMSCI のインデックスに連動するインデックスファンドの運用者は基本的に全員、今日の大引けを狙って売買を行います。

新しく組み入れられる銘柄や浮動株が増えてウェイトが増える銘柄を大引けで買い付けて、指数から除外される銘柄やウェイトの減る銘柄を同じく大引けで売るのです。

なぜ皆が一斉に同じタイミングで売買するかと言えば、それがトラッキングエラーを最小化する行動だからです。

MSCIの指数ルールに従えば、各インデックスは今日の大引けで入れ替わるため、インデックスファンドのファンドマネージャーも指数を複製するために同じタイミングで売買を行うのです。

世界中の株式市場で今日の大引け近辺の出来高が一気に増えているはずなのでよくチェックしてみてくださいね。

それではまた。