【高齢化ランキング】これから多くの国が日本と同じくらい高齢化社会になる

こんにちは。YUMAです。

日本が世界一の超高齢化社会だということはよく知られていますね。

高齢化の定義は色々あるかと思いますが、最もシンプルなのは高齢者の人口が全体に占める割合ですね。これは日本が一番高いのは事実です。

日本の高齢化はどのくらい進んでいるのでしょう?

実は海外でも高齢化は日本と同じくらい深刻な問題です。

世界各国の老齢人口比率

OECDが公表するデータから高齢化を測る「老齢人口比率」を見てみましょう。

OECDの定義はOld-Age Dependency Ratio と呼ばれ、(65歳以上の人口) / (20~64歳の人口)です。

OECD “Pension at a Glance 2017″より抜粋。

2015年時点での高齢化が進んでる国が左から順に並んでいます。青のバーチャートです。左端は日本はトップで46%ほど。

つまり、現役世代100人に対して46人の高齢者がいることになります。

次いで、イタリア、フィンランド、ドイツと欧州主要国が続きます。イギリスは31%で12番目。アメリカはOECD平均(28%)よりも6ヶ国下に位置しており25%です。

1975年時点での数値は白の菱形で示されています。

昔の日本は欧州をはじめとした外国よりも圧倒的に数値が低く、1975年頃は高齢者が相対的に少なかったことが分かります。この40年で一気に世界一まで高齢化が進んでしまいました。

黒の菱形は2050年の予想値です。

日本の老齢化人口は80%近くまで上昇する見込みです。しかし、他国を見てみるとスペインや韓国も日本と同じくらいの水準まで上がると想定されています。イタリア、ポルトガル、ギリシャも70%越えですね。

実は2050年予想の高齢化問題は日本だけでなく主要国で同じくらい深刻な問題です。

GAP比率という指標で見てみる

老齢人口比率とは別の指標もあります。

GAP比率と呼ばれる指標で、The National Academies Press(NAP)という機関が2018年に出したレポートのChapter 7 (P197)で説明されています。

定義は以下の通りです。

簡単に解説します。

まず、分母はその国の全ての年齢層が稼ぐ”労働収入”の合計です。

次に、分子は高齢者層(65歳以上)の”消費-労働収入”、つまり高齢者の消費超過金額の合計です。

これらの比率を見ることで、高齢者が収入以上に使う金額が全人口の収入金額に比べてどれくらい重いかを把握することができます。

あり得ない仮定ですが、もし、

  • 20~64歳の人だけが労働収入yを持つ(x<20とx>64ではy=0)
  • 65歳以上の平均的な消費額cが20~64歳の平均的な労働収入yと等しい(cの平均値とyの平均値が等しいので分母分子でキャンセルされる)

が成り立つ場合に限り、GAP比率は先述したOECDの老齢人口比率に等しくなります。

つまり、老齢人口比率は人数だけを使って高齢者人口の偏りを測る指標であるのに対して、GAP比率はそれぞれの年齢層の人数だけでなく労働収入や消費などを考慮して高齢者層の偏りを表す指標と言えます。

データを見てみましょう↓

GAP比率で見ても日本は世界一の高齢化社会です。

GAP rate. National Academy of Science レポートより。データは2015年時点。

次いで、ギリシャ、ラトビア、ポルトガル、イタリア、ドイツと続きます。日本に次いで赤色のヨーロッパの国が高いのはOECDの老齢人口比率と同じ結果ですね。

一方で、韓国は一番低い位置にいます。というか、日本だけ突出していて他のアジアの国はどこも低いです。

アメリカも真ん中より下に位置しており、やはり日本を除くとヨーロッパが上の方に固まってますね。

日本に続く高齢化社会はヨーロッパ

OECDの老齢人口比率で見てもGAP比率で見ても日本はトップの高齢化社会でした。

しかし、2位とどれだけ差がついているかというと、実はヨーロッパの国々もかなり深刻な高齢化問題を抱えていることが分かります。30~40年後には日本と変わらないほど高齢化が進んでいることでしょう。

社会保障の問題はどうなるんでしょうか。やはり、金融庁のレポートのように公的年金だけでは不足する状況になっていくことは間違いありません。

人生で赤字が続く局面は学生時代や老後ですが、このときに赤字を埋めるお金をどこから調達するか?国(公的制度)から、家族から、自分の築いた資産から?がとても大事になってくるはずです。

それではまた。