育児休業を取る取らないにかかわらず養育特例について知っておくと得するよ

こんにちは。YUMAです。

9月の育児休業取得開始まであと少しです。

9,10,11月と3か月休業しますが、この3か月という期間が適切なのかよく分からなくなってきてます。「3か月じゃ短い!もっと休みたい~」となるのか「十分休んだし早く仕事戻りたい!」となるのか、どっちなんでしょう。

育児休業に関する手続きは会社の人事担当者が案内してくれます。言われたとおりに手続きすれば、

  • 育児休業給付金の受け取り
  • 住民税の口座振替払い
  • 企業型確定拠出年金の積み立てストップ

などなど諸々の手続きは自動で進行します。

ただし、人事部から案内されなかった唯一の手続きがあります。自分で申請しないと単純にお金を損する可能性があります。

そう、今回は養育特例について紹介します。

養育特例とは

今回ご紹介する申請の正式名称は、

養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置(日本年金機構HP)

です。なんだか長くて難しいですね(笑)

以下に日本年金機構の説明を抜粋しますね。

次世代育成支援の拡充を目的とし、子どもが3歳までの間、勤務時間短縮等の措置を受けて働き、それに伴って標準報酬月額が低下した場合、子どもが生まれる前の標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができる仕組み

簡単に言うと、

  • 子供が生まれて3年以内に給料(標準報酬月額の階級)が下がった人への救済措置
  • 子供が生まれる前の月と比べて給料が下がった月があっても、将来受け取る年金は下がる前の給料をもとに算出する
  • 支払う年金保険料は下がったあとの給料をもとに計算するので低くなる

という感じです。

私たちサラリーマンが支払う月々の保険料は、標準報酬月額の階級によって金額が決まっています。給料の高い人はたくさん保険料を払った分だけ、将来より多くの年金が受け取れる仕組みになっています。

もし、何らかの理由で給料が下がった場合、納める保険料も低くなりますが、当然貰える年金も少なくなってしまうはずです。しかし、子供が生まれて3年以内の月であれば、納める保険料は低いままにして、もらえる年金は子供が生まれる前の高かった給料で計算してくれる、というのが養育特例です。

子供が生まれると、時短勤務をしたり子供の世話が増えたりで、これまで通りに稼げなくなる人が多いので、そういう人を年金面からサポートする制度なのです。

育児休業の取得にかかわらず申請可能

私の場合は育児休業を3か月とります。

育児休業中は国から給付金がもらえる代わりに会社から給料は出ず、社会保険料も支払わないため、養育特例の対象期間にはなりません。しかし、もし育児休業明けに会社に復帰してから子供が3歳になるまでの間に、給料(=標準月額報酬の階級)が下がった場合には養育特例の対象となる可能性があります。

養育特例には育児休業を取るか取らないかは関係ありません。

どんな人でも子供が生まれて3歳になるまでに給料が下がれば対象になりえます。

また、実は給料が下がったことの理由も関係ありません。

もちろん、育児に時間がとられて時短勤務をする、残業ができない、余裕がないためパフォーマンスが発揮できない、などを想定した制度ですが、単純に会社の業績が悪くてボーナスが下がったとかでも対象になります。

標準報酬月額に変化が生じたかどうかだけがトリガーになるからです。

なので、通勤手当が下がって見かけの給料が下がったとかでも対象になりえます(笑)

知らなかった人も2年までなら遡って申請可能

知らなかったよ!もっと早く言ってよ!という人も大丈夫。

2年の時効がありますから、2年前までなら遡って申請できます。

申出日よりも前の期間については、申出日の前月までの2年間についてみなし措置が認められます。

対象となる可能性がありそうなら、とにかく勤務先の人事担当に相談してみましょう。

勤務先に申請義務はない。自分のお金は自分で守ろう

面白いのは以下の通り、被保険者が事業主を経由して提出する、ということです。

3歳未満の子を養育する被保険者または被保険者であった者で、養育期間中の各月の標準報酬月額が、養育開始月の前月の標準報酬月額を下回る場合、被保険者が「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」を事業主を経由して提出します。

つまり、会社側には「あなた、養育特例が使えるので使ったほうがお得ですよ」と提案する義務もなければ、「忘れてて申請してませんでした」と言われても会社の人事を責めることもできないのです。

被保険者、つまりあなたが自分で人事担当者に「養育特例が使えるかもしれないので調べてもらえませんか?」と言い出さなくてはいけません。

まさに自分の経済的な利益は自分で守らなくてはならないんですよね。

まとめ

養育特例、いかがですか?

将来に受け取る年金額にどれだけの差が出るかというとあまり大きくはないかもしれませんが、申請自体は楽ですから知っておくだけでお得というものです。

子供が生まれてもバリバリ働き続けるつもりの人も、どんな理由で給料が減るかは誰にも分かりません。

自分の能力やアウトプットとは異なるポイントで給料が減るかもしれませんので、とにかく「そういえば養育特例ってのがあったな~もしかしたら使えるかな~」と知っておくことが重要ですよね。

それではまた。