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市場は効率的だと思いますか?インデックス投資は最適ですか?
こんにちは。YUMAです。
効率的市場仮説を知っていますか?
理論的には、市場が効率的である場合、時価総額加重ポートフォリオへの投資は最適かつ合理的な投資となり、リスク・リターン比で見て最も高い投資効率となります。
インデックス投資を合理化させるのが効率的市場とも言えます。
でもこのロジックって本当?
効率的市場仮説とは
Google検索するとグロービス経営大学院のMBA用語集に以下の説明があります。
効率的市場仮説とは、現在の株価は、将来に対するあらゆる情報を織り込んだ上で形成されており、世間にある情報をもとに恒常的に利益を上げることはできないという考え方。つまり、株式市場は効率的に機能しているので、投資家がどんなに独自の調査を実施したり、憶測を立てたりしても、掘り出し物の株式を見つけることはできないといえる。
分かりやすいですね。
市場が効率的ならば、全ての証券が適正にプライシングされているのでリターンが特別に高い株も低い株もないと言うことです。
厳密に言えば、連続する取引によってそのような特殊な収益機会は生まれた次の瞬間にはなくなっている。そういう均衡状態を効率的市場と言います。
しかし、「仮説」とあるように現実世界では効率的市場というものが成り立っているかは微妙です。
細かい議論は省略しますが、伝統的なファイナンス理論によれば、市場が効率的であるとするならば時価総額加重ポートフォリオこそが最も最適なポートフォリオとなることが知られています。
つまり、インデックス投資を信奉するということは効率的市場を信奉することに(一致はせずとも)近いのです。
時価総額加重ポートフォリオは最適なのか?
現実に市場は効率的と言えるのでしょうか?
そして、時価総額加重ポートフォリオは最適なポートフォリオとなっているのでしょうか?
これを考えるには2通りのアプローチがあります。
1つ目は、理論が組み立てられた前提条件を考察するアプローチ(理論的考察)。
もう1つは、現実世界の事実を確認するアプローチ(実証的考察)です。
理論的考察
効率的市場が成り立っているならば時価総額加重ポートフォリオが最適な投資です。資本資産価格理論(CAPM、キャップエム)というものがこれを結論付けています。
しかし、CAPMにおいて時価総額加重ポートフォリオの最適性を結論付けるためには幾つかの前提を必要とします。
理論上の帰結に必要な前提条件です。
- 投資家はリスク回避的で期待効用最大化(リターンの平均が大きく分散が小さくなることを好む)を求めてポートフォリオを組む
- 投資期間は単一期間(多期間でない)
- 全ての投資家は同質的期待を持つ(市場への見方が同じ)
- 無リスク金利で資金の貸し借りが無限に可能
- 手数料や税はない
どうでしょうか?条件を満たしているでしょうか?
どれ1つとして現実には当てはまらない厳しすぎる条件です。
CAPMはいわば原理で、そこから強い結果を導くためにはこのような厳しい条件を必要とするのです。
このように、理論的な前提を見た限りでは、時価総額加重ポートフォリオが最適だとする結論は得られなさそうですね。
実証的考察
こちらは、アクティブファンドが市場平均を上回っているかどうか?を考えてみるのが分かりやすいのではないでしょうか。
市場が効率的であるなら掘り出し物はないはずですから、誰も市場平均を出し抜くことは出来ないはずです。
注意すべきは効率的市場はあくまで均衡状態を指すワードだということ。つまり、今日とか明日とか短期でみれば多少株価はバタバタするし市場平均を大きく上回るファンドはあるかもしれない。けど、少し遠くから見る、均して見る、均衡状態として見たら差はないしフリーランチもないよね、ということです。
時期によっては一部のアクティブファンドは市場平均を上回っているかもしれませんが、長期にわたって市場平均を出し抜き続けているファンドはほぼ皆無だと言うのが一般的な評価です。
(勿論、例外的に高いパフォーマンスを示すファンドが僅かながら存在することも確かではあります)
この事実から言えば市場はある程度以上は効率的であると言えるでしょう。
ただし、アクティブファンドには高い信託報酬が課せられているので、少しだけ市場に勝ってるくらいでは打ち消されてしまいます。よって、効率的市場をアクティブファンドの成績面からテストするのは難しいのかもしれません。
まとめ
効率的市場仮説は成り立っているか?
理論的な前提条件を考えれば成り立ちそうにないことは明らかです。
しかし、アクティブファンドの多くが市場平均に勝てていないという事実を考えれば市場は効率的なのかもしれません。
逆に言うと
インデックス投資を信奉する以上は、市場が効率的に保たれているメカニズムについて考えを持っておくと面白いかもしれませんね。
それではまた。